
「テスカトリポカ」は、暴力と救済、運命と選択を深く描いた重厚な物語です。社会の裏側や人間の闇に興味がある人、サスペンスやノワール作品が好きな人におすすめ。心をえぐる読後感を求める人に響きます。
あらすじ
メキシコの麻薬カルテルに育てられた少年アレックスは、暴力と混乱の中で生き抜いてきた。ある日、彼は「神」の名を持つ謎の男テスカトリポカと出会い、日本へと渡ることになる。一方、日本では臓器売買ビジネスが静かに広がっていた。貧困、移民、格差、そして愛――運命に導かれるように、アレックスと日本人の少年・新津は出会い、過酷な現実に巻き込まれていく。人を救うはずの医療が、金と欲望で歪められたとき、人はどう生きるのか。残酷さのなかにもかすかな光を見せる、魂を揺さぶる物語。暴力と救済、運命と絆を描いた、衝撃と感動のサスペンスです。
心に響くポイント
「正義」とは誰のものか?
善悪は単純に割り切れるものではなく、立場や背景によって見え方が大きく変わることに気づかされます。暴力の中にも理屈があり、「悪」の中にすら信念や愛があることを見せつけられます。
グローバルな闇は、私たちの日常と地続きである
メキシコの麻薬戦争や臓器売買といった“遠い世界の話”が、日本という身近な場所にしっかり繋がっている。自分の「無関心」が何を見過ごしてきたかを突きつけられます。
人は環境を超えて選択できるか?
過酷な境遇に生きる少年たちが、「運命」にどう抗い、自分の意思を持とうとするか。人間の可能性と、絆の力を信じたくなる作品です。
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