森 絵都さん著書の「カラフル」の読書レビューです。
主人公が美術部員という背景から、少年の心が色彩のように見えてくる素敵なお話です。
この本を読んだきっかけ
題名に惹かれた、ワクワクしそうと思った。
要約
前世で罪を犯して亡くなった、一つの魂がありました。その魂は天界の抽選に当選し、下界の自殺した一人の少年になりながら、自分の罪を思い出すミッションが与えられます。そのため、天使をガイドとし下界におりることになりました。
魂は少年として過ごす中で、自殺の原因は、家族や友人との関係の様々な不満が積み重なったためであると知ります。そして、いつしか美術室で絵を描くことで閉じこもるようになります。
ある日、少年(魂)は暴力事件に巻き込まれ、病院に運ばれます。入院中や退院後、そこには自分を心配してくれる、家族の姿がありました。このことから、少年(魂が入る前の少年)が自殺を図った時から、家族一人一人の行いは、少年への愛の再認識により正されていたことを知りました。また、振り返ると、少年にも非があったと分かります。少年の人生に彩りが戻っていました。
学校に復帰後、元の魂の持ち主に体を返したいという思いが芽生えてきました。そこで、天使に相談をすると、「魂の前世での過ちを 、24時間以内に思い出せれば可能である」と言われます。少年は考え抜く中、いつもどおり美術室で絵を描いていると、友人から「絵の表現は変わらないね」と言われます。
そうです、自殺した少年は、魂自身だったのです。
気づき
俯瞰する、第三者目線で物事を見ることの大切さを感じました。
人は誰しも、一つの方向から物事を観てしまいがちです。いつもと違う方向から観ることで、家族への感謝や、友人の好きなところ、日常の新しい発見につながると思います。
この記事が参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。